犬島視察研修

■ 開催日

2026年5月25日(月)

■ 視察場所

犬島(岡山市東区)
歴史・施設:犬島精錬所美術館、近代化産業遺産、発電所跡、犬島チケットセンター、チケットセンターカフェ など
アート・その他:犬島「家プロジェクト」(F邸、石職人の家跡、S邸、A邸、C邸、I邸など)、INUJIMAアートランデブー、大宮エリー作品「光と内省のフラワーベンチ」「フラワーフェアリーダンサーズ」、犬島くらしの植物園、Ukiカフェ など

■ 視察研修の目的

直島塾の先進地視察研修プロジェクトは、移住・定住促進などの地域振興策について、先進的な取り組みを行っているエリアや団体を訪れ、ノウハウを学ぶことを目的としています。
あわせて、ベネッセアートサイト直島の活動や瀬戸内国際芸術祭を通じて、地域がどのように変わりつつあるかを現地で体感することも大切な目的のひとつです。
2026年度の第1弾として、昨年の豊島視察に続き、ベネッセアートサイト直島が展開し、瀬戸内国際芸術祭の会場でもある犬島を訪問しました。

■ 視察の様子と概要

当日は晴天の中、直島・玉野方面から参加者が犬島に集合し、犬島精錬所美術館、近代化産業遺産、犬島「家プロジェクト」、犬島くらしの植物園などを巡りました。
犬島は、岡山市唯一の有人島で、現在の人口は約20名とされています。かつては採石業や銅の製錬所で栄え、一時は多くの人々が暮らしていましたが、銅価格の急落により製錬所は短期間で閉鎖され、その後、採石業の衰退とともに人口が大きく減少していきました。
その一方で、現在の犬島には、産業遺産としての歴史を活かした美術館や、島の集落の中に点在するアート作品、暮らしと自然を大切にした取り組みがあり、島の過去と現在、そしてこれからを考える視察となりました。

1.犬島精錬所美術館・近代化産業遺産:島の歴史とアートを体感

午前中は、犬島精錬所美術館と近代化産業遺産を見学しました。
犬島精錬所美術館は、かつての銅製錬所の遺構を活かした美術館で、建築やアートを通して、近代化の歴史や環境、エネルギーについて考えさせられる場所です。
製錬所跡の煙突や発電所跡などの遺構は、犬島がかつて産業の島として栄えていたことを今に伝えており、参加者は島の歴史の重みを感じながら見学しました。

2.犬島「家プロジェクト」:集落の中に溶け込むアートを巡る

昼食後は、犬島「家プロジェクト」を巡りました。
F邸、石職人の家跡、S邸、A邸、C邸、I邸など、島内に点在する作品を歩いて鑑賞しながら、古い家屋や路地、自然の風景とアートが一体となった犬島ならではの魅力を体感しました。
作品そのものの面白さだけでなく、作品を維持するための工夫や、時間の経過によって自然や島の風景に馴染んでいく様子も印象的でした。

3.犬島くらしの植物園:関係人口と「手入れのリレー」について学ぶ

犬島くらしの植物園では、担当者の方から、植物園の取り組みや犬島の暮らし、島を支える活動についてお話を伺いました。
特に印象的だったのは、「手入れのリレー」や「犬島ととと倶楽部」といった、島に関心を持つ人たちが関わりながら、島の環境や暮らしを守っていく考え方です。
犬島に移住することは簡単ではありませんが、犬島を好きになった人や関心を持った人が、観光で訪れるだけでなく、草刈りや手入れなどの活動にも少しずつ関わることで、島とのつながりを育てていく取り組みは、直島塾の今後の活動にとっても大きなヒントとなりました。

■ まとめ

今回の犬島視察は、アートや観光だけでなく、島の歴史、暮らし、人口減少、関係人口づくりについて考える貴重な機会となりました。
参加者からは、「人口が少ない中でも島全体が丁寧に手入れされており、花や緑が美しく、ゴミもほとんど見当たらなかったことが印象的だった」「犬島精錬所美術館や家プロジェクトを実際に歩いて巡ることで、作品の背景や島の歴史をより深く感じることができた」「犬島くらしの植物園で伺った、島に関わる人を増やしていく取り組みは、直島でも参考になると感じた」といった声が寄せられました。

犬島の歴史やアートに触れるだけでなく、島を大切に手入れしながら未来につないでいく姿勢を学ぶ、実りある視察研修となりました。

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